ウジャマー農場

ウジャマー農場

ウジャマー農場は大分県南部の豊後大野市緒方町に位置しており、合計約3haにもなる複数の圃場で、米を中心に野菜、麦、大豆や大分特産のカボスを育てています。山間部に広がっている農場ではカモやヤギなどの家畜も飼養し、自然環境によって成り立つ循環型の農業を目指して取り組んでいます。
ウジャマーとは、アフリカの言葉で「家族」を意味します。他農家との横の繋がりや、地域住民、野菜や米を購入してくれる消費者も含めて、家族のような関係で繋がっていきたいという想いが込められています。圃場ではすべての作物を農薬や化学肥料に頼らずに育て、黒米・麦・大豆は有機JASの認証を受けています。また農場での養豚も行っており、2023年から豚肉の販売も開始しています。

生産者さんインタビュー

農業を始めたきっかけは何ですか?

高校時代に自然農法というものに出会い、自給自足の生き方に憧れを抱いたことがきっかけです。静岡で10年程農業をやっていましたが、有畜複合経営を目指してこの地で再スタートを切りました。

現在特に力を入れていることはありますか?

後継者である息子たっての希望から農場での養豚が始まりました。2023年から豚肉の販売も開始しています。飼育数は現時点で5匹と小規模ですが、今後数を増やしながら、安定供給できる体制を整えていきたいと考えています。

将来の目標を教えてください。

私たちの根本にあるのは、自然の中で自給自足可能な生活を送り、地域で循環する農業を続けていくことです。その中で具体的に考えている今後の展望としては、私たちのライフスタイルを理解してくれる消費者を増やすこと。それから、地域の学校や施設で私たちの育てた生産物を使ってもらうことです。こうした取り組みの中で、地域の農業の発展に貢献し、緒方町への恩返しに繋がれば良いなと思います。

ウジャマー農場 森岡雄平

神奈川県出身。高校時代に自然農法に出会い、大学は農学部へ。卒業後、青年海外協力隊員としてタンザニアで稲の試験栽培に従事。帰国後、静岡県で有機農業を始めるも、更に豊かな自然環境を求め1997年に豊後大野市に入植。

ウジャマー農場

農園のこだわり

農場ではアイガモ、ヤギ、鶏、豚を、アニマルウェルフェアの考えに基づいて飼養しています。
餌には地元で手に入る材料と、農場で手に入るおから、米ぬか、野菜くずなどを混ぜて発酵させたものを使用し、自給できる給餌体制を目指しています。そうして育った動物たちを自然の循環に加えた循環型農業には、大きく3つのこだわりがあります。
苗土づくり
温床からすべて手作りです。温床には藁、落ち葉、米麹などを用います。温床で用いた発酵した落ち葉などを雨風にさらすことで更に自然分解を進め、1~2年ほどかけて土の骨格が出来上がります。この土に、ぼかしともみ殻燻炭を混ぜ合わせたものを当農場の苗土として使用しています。
病害虫対策
圃場の生態系バランスを整え、病害虫のいない土壌環境をつくりあげました。水稲では、みのる式ポット成苗システムを取り入れ、稲の能力を最大限引き出しています。
雑草対策
除草機による除草に加え飼養する家畜(アイガモ、ヤギ等)の力を借りた除草を行います。また、圃場内の雑草を草マルチとして使用し、出来るだけ自然の中で行える雑草対策をしています。

主な作物

お米

甘酒

かぼす果汁

豚肉

出荷スケジュール

自慢の甘酒

生産者さんから一言

農業は、毎日同じような作業ばかりですが、そこにたくさんの良さ・魅力が詰まっています。「自然と共に生きる」ということを、個人個人が実生活で考えていけるような社会になれば良いなと思っています。

水稲栽培では肥料をほとんど使わず、米ぬかを使用するくらいです。化学肥料が使用されたお米よりも味が良いという評判があります。加工品としては、古代米とも呼ばれ古くは皇帝の料理や漢方薬にも使われていた黒米入りの甘酒を販売しています。麹米から総て自家農園産の甘酒は飲みやすく、黒米の食感も楽しめると好評です。